心敬

心もち肝要にて候 常に飛花落葉を見ても 草木の露をながめても 此世の夢まぼろしの心を思ひとり ふるまひをやさしくして 幽玄に心をとめよ 氷ばかり艶なるはなし 苅田の原などの朝のうすこほり 古りたる檜皮の軒などのつらら 枯野の草木など 露霜のとぢたる風情 おもしろく艶にも侍らずや